帰化とは? 国際結婚をして配偶者が日本国籍を取得する方法
パートナーが日本人の場合、これからのことを考えて「帰化」を検討する方もいるのではないでしょうか?
中には、“国籍なんて関係ない!”という軽く考えている方もいるかもしれませんが、やはり「帰化」するのは相当勇気の要ることだと思います。
そこでこのページでは、少しでも帰化申請の不安を払しょくするために、日本人の配偶者が日本国籍を取得する条件や方法を丁寧に解説していきたいと思います。
手続きの流れがイマイチ分からない・・・と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
帰化ってなに?
取得方法をご説明する前に、まずは「帰化」について少しでも知識を入れておきましょう。
「帰化」とは、日本国籍を取得して日本人になることです。「帰化」すると、日本人と同じ扱いになるため様々なメリットを享受できます。しかし、日本国籍を取得するというこ とは、当然自国の国籍を捨てなければなりません。そのくらいの覚悟があって、はじめて帰化できるのです。
3つの帰化のパターン
実は、「帰化」には3つのパターンがあるんです。あまり聞き慣れない言葉もあるかもし れませんが、パターンによって条件などが違うので、頭の片隅に入れておいてください。
(普通帰化)
普通帰化とは、いわゆる一般的な帰化のことです。20歳以上で日本に5年以上住んでいる方が対象となります。普通帰化の場合、日本語能力や素行などの要件を満たす必要があります。
(特別帰化・簡易帰化)
特別帰化とは、日本人と結婚した外国人や、日本人の子どもで日本に住所がある方など、一定の条件を満たしている人に許可される帰化です。普通帰は違い、20歳未満であっても申請することができます。
(大帰化)
大帰化とは、普通帰化や特別帰化の条件を満たさなくても、日本に対して特別な功労が合った場合のみ国会の承認で帰化許可が下りることです。しかし、今のところ承認されたケースはないようです。
ほとんどの方は「普通帰化」に当てはまると思いますが、国際結婚の場合は「特別帰化・簡易帰化」になることがお分かりいただけたかと思います。結論から言うと、「特別帰化・簡易帰化」は「普通帰化」よりも手続きが簡単です。とはいえ、母国ではない国の国籍を取得するわけですから、きちんとした条件はあります。ここでつまずいたら元も子もないので、まずは条件を確認していきましょう。
特別帰化の申請条件 -国際結婚の場合-
細かな規定はありますが、日本人の配偶者で帰化申請をする場合は以下の2つの条件を満たす必要があります。
1. 日本人の配偶者で、引き続き3年以上日本に住むこと。
2. 日本人との婚姻の日から3年以上が経過し、引き続き1年以上日本に住むこと。
簡単に言うと、日本人と結婚していてこれからも日本に住む意志があればOKということです。普通帰化の条件よりもかなり緩和されていますよね。
では、帰化のパターンや大まかな条件が分かったところで、次項では、特別帰化で日本国籍を取得する方法をご紹介していきたいと思います。
配偶者が日本国籍を取得する9ステップ
配偶者が日本国籍を取得する流れは以下のとおりです。
1. 法務局に事前相談をする
2. 予約した日時に法務局に出向く
3. 必要書類の取り寄せや作成
4. 申請書の提出
5. 面談・調査
6. 法務大臣決裁
7. 官報告示・審査結果の連絡
8. 外国人登録証明書の返却
9. 帰化届を提出
こんなにやることがあるのか…とガックリ肩を落とさず、国籍取得まで地道に努力していきましょう。ちなみに、外国人配偶者が実際にやらなければならないことはステップ1~4とステップ8,9です。では、それぞれ詳しくご説明していきたいと思います。
1. 法務局に事前相談をする
まずは法務局に電話をし、“帰化したい”という旨を伝え相談日時の予約をしましょう。このときに、相談日に持参する書類などを確認しておくとスムーズです。法務局の相談では、本当に帰化申請ができるのかどうかを確認するため、当日何を聞かれてもいいように、親族関係や生活状況などの身の回りのことは事前に把握しておきましょう。
2. 予約した日時に法務局に出向く
電話で予約した日時に法務局へ行きましょう。法務局では、生活状況や交通違反などを聞かれ、帰化申請する際の要件をきちんと満たすかどうかが確認されます。もし、帰化申請できると見なされれば、必要書類が記載された冊子をもらうことができます。(もし貰えない場合は、どんな書類が必要か忘れずに聞くようにしましょう)
3. 必要書類の取り寄せや作成
おそらく、このステップが一番大変だと思います。書類の数も多く訂正されることもありますが、辛抱強く頑張りましょう。大まかな必要書類はこちらです。
本国や日本の役所で取り寄せる書類 |
帰化する本人が作成する書類 |
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住民票の写し |
帰化許可申請書 |
国籍を証明する書類 |
親族の概要を記載した書類 |
親族関係を証明する書類 |
帰化の動機書 |
納税を証明する書類 |
履歴書 |
収入を証明する書類 |
生計の概要を記載した書類 |
公的年金保険料の納付証明書 |
事業の概要を記載した書類 |
申請前に何度も法務局へ行き、少しずつ必要書類を揃えていかなければなりません。もちろん、一つでも不足があればアウトです。すべての書類が揃えば、やっと帰化申請をすることができます。
4. 申請書の提出
先ほどの必要書類がすべて揃った段階で、法務局に申請書を提出します。もちろん、申請は本人がしなければならないので、代理申請はNGです。
5. 面談・調査
帰化申請をしてから2~3ヵ月ほどで、法務局から面談の連絡があります。面談では、書類に提出した内容を聞かれます。ここでうっかり嘘を話してしまうと、許可が下りなくなる場合があります。書類に記載した内容と矛盾することは言わないようにしましょう。面談後は、書類の内容や面談で話した内容が本当に合っているのかどうか裏づけを取ります。ここで追加書類の提出を求められることもありますが、疑われているわけではないので冷静に対応してください。調査期間は人によりますが、3ヵ月~6ヵ月と見ておくといいでしょう。
6. 法務大臣決裁・審査結果の連絡
この段階で、いよいよ帰化許可が下りるかどうかの決裁です。許可が下りた場合も下りなかった場合も、法務局から本人へ連絡があります。
7. 官報告示・法務局からの連絡
帰化申請された場合は、官報告示に掲載されます。また、法務局から連絡があり身分証明書の交付などがあります。
8. 在留カードの返却
無事に帰化できた場合、もう日本人なので在留カードは必要ありません。帰化申請の許可が下りた日から14日以内に、市町村などで手続きをして返却しましょう。
9. 帰化届を提出
最後に、帰化申請の許可が下りた日から1ヵ月以内に帰化届の提出が必要です。帰化届の書類はネット上からダウンロードすることができますが、夫婦用と単身者用で微妙に内容が違うため、間違えないようにしてください。※提出する人はどなたでも大丈夫ですが、届書は必ず本人が署名しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。日本人の配偶者は、住居要件や能力要件では「普通帰化」よりも緩和されますが、その他の要件や手続き方法には大きな差はありません。このページで、国籍を取得するのは想像以上に大変だということがお分かりいただけたかと思います。
ただ、今まででも約9割の外国人が帰化許可されているので、事前準備をしっかりとすればちゃんと許可は下りるんです。あまり不安にならず、とにかく事前準備をきちんとして万全の状態で申請してくださいね。