帰化申請が許可された後も手続きはまだまだあります!

“何カ月も待って、やっと帰化の許可が下りた!”

とても嬉しいお気持ちだと思います。

 

しかし、ここで安心してはいけません。帰化の許可が下りた後にも、やるべきことはまだまだたくさんあるんです。

 

“帰化申請時も手続きが大変だったのに、まだ手続きがあるのか!”と思う気持ちは分かりますが、もうひと踏ん張りです。この手続きを終えれば、ようやく日本人として生活することができます。

 

このページでは、帰化申請の許可が下りた後の手続きについて分かりやすく解説しています。ぜひ最後まで読んでくださいね。

帰化許可が下りた後の大まかな流れ

帰化の許可が下りた後の流れは、以下のとおりとなっています。

 

官報に氏名と住所が掲載される

法務局から許可された旨の電話が入る&帰化の通知書を受け取る

法務局へ行き「帰化者の身分証明書」を受け取る

 

ちなみに、最後の「帰化者の身分証明書」を受け取る際に、帰化許可後の手続きについての説明があります。

帰化許可後に、必ず行う2つの手続き

帰化許可後に“必ず”行う手続きは、以下の2つです。

 

帰化届の提出

在留カードor特別永住者証明書の返納

(帰化届の提出)

帰化申請が許可された後、「帰化届」という書類を提出する必要があります。帰化届とは、“これからは日本人として生活していきますよ”ということを証明する書類で、通常帰化する本人が、住所地の市区町村役所に提出します。(15歳未満の場合は法定代理人)帰化届を提出することで、日本に帰化者の戸籍ができます。

 

ここで気を付けなければならないことは、期限です。帰化届は、帰化申請許可が下りて官報の告示の日から、告示の日を含めて1カ月以内に提出しなければなりません。

※期限が過ぎた場合、罰金が発生することがあります。

 

帰化届の提出に必要な書類は、以下のとおりです。

帰化届書 ※日本人の配偶者がいる場合は、配偶者の署名・押印が必要です。 

届出人の印鑑 ※日本人の配偶者がいる場合は、配偶者の印鑑も必要です。

帰化する人の身分証明書

(在留カードor特別永住者証明書の返納)

帰化許可が下り日本国籍を取得した時点で、在留カード(外国人登録証明書)や特別永住者証明書は返納しなければなりません。返納場所は、先ほどと同様で住所地の市区町村役所です。

 

これらは、身分証明書交付の日から14日以内に返納しなければなりません。帰化届よりも期限が短いため、十分余裕を持って返納しましょう。

※期間中に返納がない場合、20万円以下の罰金または5万円以下の過料が科せられることがあります。

 

また、直接ではなく送付して返納する場合は以下の住所に送りましょう。

★送付による場合の返納先★

〒135-0064 東京都江東区青海2-7-11 東京港湾合同庁舎9階

東京入国管理局おだいば分室宛て

※封筒の表に「在留カード等返納」と表記してください。

必ず行う手続が終わった後の手続き

先ほどご紹介した2つは、帰化許可後“必ず”行わなければならない手続きでしたが、その後行うべき手続きもまだまだあります。ホッと一息つきたいかもしれませんが、こういった手続きは一気にやってしまうのが楽です。後々面倒なことにならないよう、しっかり確認していきましょう。

(国籍離脱の手続き)

帰化申請の要件にも含まれていますが、日本では多重国籍が禁止されています。そのため、日本国籍を取得した時点で母国の国籍は放棄しなければなりません。

 

一般的に、帰化許可後に母国の国籍離脱の手続きをします。ただし、これは必ずしなければならない訳ではありません。なぜなら、日本で帰化許可が下りた後、遅くても2年ほどで母国では除籍されるからです。しかし、どちらにも国籍があると相続時にトラブルが起こる可能性もあるため、手続きをしておいて損はないでしょう。

※注意

当然ですが、日本国籍を取得した後は母国のパスポートを使用してはいけません。日本で帰化許可が下りた時点で、「国籍離脱の手続き」をしていなくても実質母国の国籍は喪失しています。もし使用すれば、重大な犯罪として刑罰対象になります。十分注意しましょう。

帰化許可後に、任意で行う手続き

こちらは任意ですが、日本人として生活していくなら“やっておいた方が良い”手続きを3つご紹介していきたいと思います。

1.日本のパスポートの申請

2.運転免許証の本籍地や氏名の変更

3.支払い関係の名義変更

では、一つずつ詳細を見ていきましょう。

(1. 日本のパスポートの申請)

通常、帰化届を提出してから7日~10日程度(即日交付してくれる役所もあります)で戸籍が新しく作られ、戸籍謄本や住民票の写しを入手することができます。先ほど※注意でもお伝えしたように、誤って母国のパスポートを使用しないよう早々に日本のパスポートを入手しておくことをおススメします。

 

パスポートの申請に必要な書類は以下のとおりです。

・一般旅券発給申請書(ウェブ上でダウンロードができます。)

・戸籍謄本または抄本1通(原本が必要です。)

・住民票の写し1通

・写真(縦45mm×横35mm)

・本人確認書類(運転免許証などが必要です。)

 

申請場所は、こちらから確認できます。

各都道府県の申請窓口

※外務省の公式サイトへ飛びます。

(2. 運転免許証の本籍地や氏名の変更)

自動車運転免許証を持っている方は、本籍地や氏名を変更するために「住民票」が必要になります。1週間~10日程度で住民票を入手することができるため、ぜひこのタイミングで変更しましょう。運転免許証の変更が済めば、パスポートを申請する際の身分証明書でも利用することができます。

ちなみに帰化した場合、新しく免許証が作られるわけではありません。免許証の裏面に、“この人は帰化しましたよ~”という旨の記載がされるようになっています。

 

※近くの警察署や免許センターで名義変更することができます。また、名義変更する際に必要なものは、「住民票」「今お持ちの免許証」「印鑑」です。

 

(支払い関係の名義変更)

かなりざっくりしていますが、支払い関係のものは下記のとおり意外と多くあります。

賃貸契約

⇒ 名義変更には、賃貸借契約書が必要になります。

水道光熱費

⇒ 支払いに利用している銀行口座もしくはクレジットカードの名義変更をすれば大丈夫です。

携帯・ネット回線

⇒ 毎月の支払いに必要なクレジットカードもしくはキャッシュカードが必要です。手数料はそれぞれの携帯会社によって違いますが、ドコモの場合は2,000円です。

銀行口座

⇒ 変更手続きに戸籍謄本の提出が必要です。

クレジットカード(&クレジットカードを登録しているサービス)

⇒ 変更しなくても利用停止になることはありませんが、海外では身分証明書代わりになるため利用することができません。また、銀行口座の名義は変更したけれどクレジットカードは変更していない場合、不正利用と疑われる可能性があります。

 

これらは、“いつまでに”という期限はありませんが、やはり“早めにやっておく”に越したことはないでしょう。大変ですが、一つ一つ確実にこなしていきましょう。

まとめ

帰化許可後の手続きをお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。帰化申請も大変だったのに、許可が出た後も手続きがあるなんて面倒ですが、一気に済ませてしまえば“期間中に書類を提出できなかった!”と焦ることもありません。

「帰化申請~帰化許可後まで」は一連の流れだと思って、サクッと済ませてしまいましょう。