帰化申請の基礎知識!3種類の帰化と条件
帰化して日本国籍を取得したい!でも、どんな条件が必要なんだろう?と疑問に思っていませんか?
そんなあなたのために、このページでは、どんな方法で帰化申請ができるのか?帰化申請の条件にはどんなものがあるのか?などの基本的な知識をご紹介していきたいと思います。
帰化申請がどういうものか把握するためにも、基礎知識は頭に入れておきましょう。
実は、帰化には3種類あるんです
帰化には、実は3種類あることをご存知でしょうか?
1.普通帰化
2.特別帰化(簡易帰化)
3.大帰化
そして、それぞれ対象者や必要な条件も変わるのです。
では、一つずつ解説していきたいと思います。
(普通帰化)
20歳以上で母国でも成人と見なされる年齢に達している場合、「普通帰化」での申請ができます。おそらくほとんどの人が「普通帰化」に当てはまるでしょう。後ほど紹介しますが、普通帰化の申請に必要な条件は全部で7つです。
(特別帰化・簡易帰化)
文字通り、特別な事情がある場合、「特別帰化」で帰化申請をすることができます。例えば以下の場合です。
・日本人と結婚している場合
・日本人の実子で日本に住所がある場合
このように、日本人と繋がりがある人の場合「普通帰化」よりも条件が緩和されます。こちらも後ほどお伝えしていきます。
(大帰化)
大帰化とは、日本で特別な功労があった外国人に対して、国会の承認で許可がされる帰化のことです。ただし、現時点で「大帰化」で日本人になったケースはありません。
帰化申請に必要な7条件
帰化の種類を把握できたところで、次は帰化申請に必要な条件を確認していきましょう。
帰化申請するためには、以下の7条件すべてを満たす必要があります。
1.居住要件
2.能力要件
3.素行要件
4.生計要件
5.重国籍防止要件
6.憲法順守要件
7.日本語能力要件
1つでも満たさない場合は申請する権利すらないので、一つ一つ入念にチェックしていきましょう。
1.居住条件…引き続き5年以上日本に住所を有すること。
まず一つ目は、日本に「引き続き」5年以上住む意志があるかどうかです。ここで大事なポイントが「引き続き」という言葉です。例えば、留学や出張で日本から出国している日数が連続して90日以上・年間で合計150日以上ある場合、「引き続き」に当てはまらないため、帰化申請が難しくなります。また、ただ単に5年以上日本に住めばいいのではなく、このうち3年間以上は就労系の資格を取得し、アルバイト以外の雇用形態で働いていることが条件になります。要は、“日本人になるなら、きちんと働いて一定期間日本に住んでくださいね”ということです。
特別帰化(簡易帰化)の居住条件
先ほど出てきた「特別帰化(簡易帰化)」の場合、“連続して3年間日本に住んでいること”が条件になります。「普通帰化」が5年なのに対して「特別帰化(簡易帰化)」は3年に緩和されていますね!さらに、日本人の配偶者で婚姻関係が3年以上の場合は、連続して1年以上日本に住んでいれば、帰化申請することができます。
※特別帰化で緩和されているのは「居住条件」のみで、他の条件はすべて一緒です。
2.能力条件…年齢が20歳以上であり本国法によって行為能力を有している。
成人とみなされる年齢に達していれば、単独で申請することができます。(未成年の場合は、保護者と一緒であれば申請することができます。)ただし、注意しなければならないのは、“日本と母国両方で成人とみなされる年齢に達する必要がある”ということです。
例を挙げると、18歳の中国人が単独で日本に帰化申請することはできません。なぜなら、中国では18歳が成人ですが、日本では成人と見なされる年齢に達していないからです。この場合、20歳になるまで申請を待つ必要があります。逆も然りで、インドネシアやエジプトでは21歳が成人なので、20歳で日本に帰化申請することはできません。母国でも成人と見なされる年齢に達する必要があるため、この場合は21歳になるまで申請を待たなければなりません。
3.素行条件…素行が善良であること。
素行が良いかどうか?も帰化申請には必要な条件です。“本当にこの人を日本人にしても良いのか?”“真面目な人柄なのか?”がチェックされます。
では、どういう場合に帰化申請が難しくなるのでしょうか?以下をご覧ください。
・前科がある場合
⇒ 犯罪の程度にもよりますが、申請のハードルはかなり上がってしまいます。
・税金を滞納している場合
⇒ 帰化申請前に滞納している税金を支払えば申請できることもあるため、住民税や国民年金など、滞納分がないか今一度確認しておきましょう。
・交通違反がある場合
⇒ 軽度の交通違反であれば、過去5年間で4~5回くらいは許される範囲と言われています。ただ、過去に重度の交通事故を起こした場合は申請が難しくなります。示談を済ませておくなどして、対策を取りましょう。
4.生計条件…自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること。
生計条件では、“帰化したときにちゃんと日本で生活できる経済力があるかどうか”がチェックされます。以前よりだいぶ緩くなっているようなので、日本で普通に生活できる資金力があれば問題ありません。また、帰化者本人が働いていない場合でも、同居する家族や日本人配偶者の給料で十分に生活できるのであれば、生計条件は満たしていることになります。ここで重要なのは、“収支のバランス”です。給料が少なくても、その分支出を工夫して生活できているのであれば、帰化申請することができます。
5.重国籍席防止条件…国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うこと。
ご存知のとおり、日本では重国籍が禁止されています。そのため、帰化して日本国籍を取得するのであれば、当然のことながら母国の国籍を放棄することが求められます。もし、国籍が変わるのが嫌なのであれば、帰化申請ではなく「永住」という選択もできますので、よく考えてから帰化申請しましょう。
※アルゼンチンなど、国籍の離脱ができない国の場合は特別に重国籍が認められる場合があります。
6.思想条件…日本政府を暴力で破壊しようとする団体を結成・加入したことがないこと。
おそらく、当てはまる方はほとんどいらっしゃらないと思いますが、日本を破壊するような思想を持っている団体に加入している(していた)場合、申請許可は下りることはほぼないでしょう。
また、自身が加入していなくても親族や自分に近しい人が暴力団やテロ組織に加入している場合も、審査ではマイナスになります。ただ、その方との関係性や加入していた期間にもよるため、“もしかしたら当てはまるかも…”という方は、法務事務に相談してみてもいいかもしれません。
7.日本語能力条件…最低限の日本語能力を有すること。
日本語能力条件は国籍法には記載されていませんが、帰化申請する際は日本で生活するのに困らない程度(小学校低学年レベル)の日本語能力が求められます。通常、書類を提出した後の法務局の面談で審査されます。※読み書きのテストを行う場合もあるようです。
まとめ
帰化の基礎知識をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
“基礎という割には情報が多すぎて頭に入らなかった!”という方もいるかもしれませんね。
しかし、国籍を取得するためにはやはり様々な条件を満たす必要があるので、最低限のことは覚えておきましょう。