よく考えて!結婚と帰化申請どっちが先?

 

日本人と晴れて国際結婚!“この機会にいっそのこと日本国籍を取得して日本に永住しよう”と考えている方も多いでしょう。

 

しかし、 “国籍が変わる”というのは結婚と同じくらい重大なイベントなので、やはり帰化するときの注意点はきちんと把握しておきたいところです。

 

そこでこのページでは、日本人と結婚する方向けに、帰化の注意点などをお伝えしていきたいと思います。帰化を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

よく考えて!結婚と帰化申請どっちが先?

さて、日本人と結婚することが決定し、日本への帰化を検討しているあなた。先に結婚するのが良いのか、帰化申請するのが良いのか迷ってしまいますよね。

 

結論から言うと、ケースバイケースです。

ここでそれぞれ、具体例を見ていきましょう。

 

(先に結婚した方がいい人)

・既に妊娠している人

・5年以上日本に住んでいない人

・就労ビザを持っていない人

(先に帰化した方がいい人)

・結婚の手続きを簡単にしたい人

・入籍のスケジュールに余裕がある人

 

という感じです。ちなみに、先に結婚する場合は「国際結婚」、帰化後に結婚する場合は「日本人同士の結婚」という認識になるので、細かいことかもしれませんが、国際結婚に憧れている人は先に結婚することをおススメします。

日本人と結婚する場合の帰化申請

ではここで、帰化してから結婚する場合と結婚してから帰化する場合に分けて、帰化申請の条件や手順などをご紹介していきたいと思います。

 

まず前提として、帰化には「普通帰化」「特別帰化(簡易帰化)」「大帰化」の3種類あることを頭に入れておきましょう。※大帰化で帰化したケースは今のところありません。

 

また、帰化には以下の7点を満たす必要があります。

1.居住要件

2.能力要件

3.素行要件

4.生計要件

5.重国籍防止要件

6.憲法順守要件

7.日本語能力要件

 

では、それぞれ詳細を見ていきましょう。

帰化してから結婚する場合

あなたがまだ日本人の配偶者になっていない場合、一番一般的な「普通帰化」で帰化申請をすることになります。普通帰化の具体的な条件は以下のとおりです。

1.居住要件…引き続き5年以上日本に住所を有すること。

難しそうに書かれていますが、要は“ちゃんと日本に住み続けてね”ということです。しかし、ただ単に5年間住み続ければいいのではなく、就労系の資格を取得しアルバイト以外の雇用形態で働いている期間が3年以上必要になります。また、日本から出国している日が90日以上・年間で120日以上ある場合は、“引き続き”に当てはまりませんので、在留期間がリセットされてしまいます。

2.能力要件…年齢が20歳以上であり本国法によって行為能力を有している。

こちらも何だか難しそうですが、“成人とみなされる年齢に達していれば申請できますよ~!”という意味です。ただし、日本では20歳が成人ですが、他国では18歳・19歳で成人の国もありますよね。その場合は、20歳になるまで申請することができません。また、21歳が成人の国の場合、日本では成人ですが母国では成人になっていないため、これも申請不可です。要は、母国・日本どちらでも成人になっていないと申請できないということですね!※ただし、未成年であっても保護者と一緒の場合は申請できます。

3.素行要件…素行が善良であること。

素行要件では、“真面目な人柄かどうか”がチェックされます。例えば過去に罪を犯した場合、犯罪の内容にもよりますが帰化申請は難しくなります。また、脱税などできちんと納税していない場合も、帰化申請はできません。

4.生計要件…自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること。

日本で生活できる経済力があるかどうかは、重要なチェック項目の一つです。自分自身や一緒に生活する日本人配偶者などの資産や給料によって、日本で普通に生活できる能力が求められます。しかし、年収〇〇円以上という明確な指標がないため、どのくらいのお金が必要なのか曖昧なのですが、衣食住のある普通の生活ができる経済力であれば問題ないでしょう。

5.重国籍席防止条件…国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うこと。

日本では、重国籍は禁止されています。そのため、日本国籍を取得して日本人になるのであれば、母国の国籍は放棄することが求められます。日本国籍を取得すると、海外旅行に行く際にビザが必要ない国が増える一方で、母国に帰国するためにビザの手続きなどが必要になる場合があるので、よく考えてから帰化申請しましょう。

6.憲法遵守条件…日本政府を暴力で破壊しようとする団体を結成・加入したことがないこと。

ほとんどの方は大丈夫だと思いますが、自身が加入していなくても親族や自分に近しい人が暴力団やテロ組織に加入している場合は、帰化申請が難しくなります。

7.日本語能力条件…最低限の日本語能力を有すること。

国籍法には記載されていませんが、日本での生活に困らない程度の日本語能力や、日本の文化に馴染んでいることも大事です。よく、小学校3年生程度の日本語能力があれば帰化申請が下りることが多いと言われています。

帰化→結婚のメリット・デメリット

「普通帰化」の場合は一般的な帰化と同じになるので、条件は「簡易帰化」よりも厳しいです。しかし、先に帰化して日本国籍を取得すると、結婚するときは“日本人同士の結婚”になるため、手続きが圧倒的に楽になります。

(結婚してから帰化する場合)

あなたが既に日本人の配偶者の場合、上記3種類の中の「特別帰化(簡易帰化)」で帰化申請をすることができます。

 

帰化の条件は普通帰化とほとんど一緒ですが、「居住要件」に関しては以下のように緩和されています。

 

居住要件
普通帰化 特別帰化(簡易帰化)
引き続き5年以上日本に住むこと

継続して3年以上日本に住んでいる

(結婚後3年以上経過している場合は
継続して1年住んでいればOK!)

★結婚→帰化のメリット・デメリット★

5年から3年に緩和されるのは結構大きいメリットですよね。先に結婚することで、帰化申請のハードルがグッと下がります。

 

しかし、結婚する際は“国際結婚”になるため、日本人同士の結婚よりも手続きが大変です。婚姻届けの他に、「婚姻要件具備証明書」という書類が必要で、在日大使館か領事館にもらいに行かなければなりません。

要注意!帰化申請中でもビザの更新は必要

結婚してから帰化申請する方向けの注意点として、「帰化申請中であってもビザの更新が必要」ということが挙げられます。通常、審査結果が出るまでに6ヵ月~1年ほどかかります。そのため、帰化申請中に在留期限が来ることは大いにあり得ますよね。

 

一仕事終えてホッと一息つきたいところですが、在留期間があとどのくらい残っているのかは常に確認しておきましょう。もし、申請中に在留期限が来る場合は、入国管理局にて期間更新申請を行い、更新後は外国人登録の変更手続きも済ませておきましょう。

 

ちなみに、期間更新をし忘れた場合はオーバーステイとなってしまい、帰化許可が下りることはありません。注意しましょう。

まとめ

帰化してから結婚・結婚してから帰化、それぞれの帰化の条件や注意点をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

 

どちらが先でも構いませんが、「帰化→結婚」の場合は帰化申請する段階が大変です。一方、「結婚→帰化」の場合は、結婚する際の手続きが大変です。

 

日本人との結婚が決まり帰化申請を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。