永住申請が不許可になったら! 再申請して許可取得への3ステップ!

“永住申請が不許可になってしまった、どうしよう…”

“再申請したいけど、また落ちるかもしれない…”

今このページを読んでいる方は、こんな気持ちではないでしょうか?

その気持ちお察しします。

 

しかし既に落ちてしまった以上、その過去は変えられません。変えられない以上、きちんと原因究明をして次は万全の状態で永住申請すればいいのです。そこでこのページでは、永住申請の許可が下りなかった方向けに、再申請から許可が下りるまでの3ステップをご紹介していきたいと思います。この記事を読んだあなたが、少しでも勇気づけられれば幸いです。

 

再申請から許可までの3ステップ

では、再申請から許可までの3ステップを確認していきましょう。

・ステップ1:不許可になった原因を突き止める

・ステップ2:原因を理解し、改善する

・ステップ3:万全の状態で再申請する

では、一つずつ詳しく見ていきましょう。

ステップ1:不許可になった原因を突き止める

原因を突き止めないことには、何度申請しても結果は一緒ですよね。そこでまずは、何が原因で不許可になってしまったのか原因究明をしましょう。ここでは、不許可の主な原因を3つ挙げていきたいと思います。

(原因1:税金に未納・滞納がある)

住民税や年金など、税金関連の支払いに未納分はありませんか?滞納はしていませんか?これは、永住申請の条件である「素行要件」にも大きくかかわるため、税金に未納分があれば、まず許可が下りることはありません。また、期日を守っていない場合も許可は難しくなります。

<補足>

筆者の知り合い(日本人)に、“今の日本だと年金はもらえなさそうだから国民年金を納税していない”という方がいました。税金の支払いは国民の義務なので、本来“もらえなさそうだから支払わない”という選択はできないのですが、実際、支払っていない人は意外と多くいます。もし周りに支払っていない人がいたとしても、あなたはあなたできっちり支払いましょう。少なくとも永住申請をする上では必須の条件です。

(原因2:日本での居住歴が足りない)

永住申請の条件として、「引き続き10年以上日本に住んでいること」が求められます。

※日本人の配偶者の場合は3年以上結婚生活が続いていて、かつ1年間日本に住んでいればOK。

 

「引き続き」という言葉がネックですが、ここでは「居住の安定性」が審査されていると考えておけばいいでしょう。例えば、以下の場合は「居住が安定している」とは見なされにくくなります。

 

・1回で90日以上出国している場合

・1年間に150日以上出国している年がある場合

 

上記に当てはまる方が全員不許可になっているわけではありませんが、海外渡航が多い場合は、不許可の原因になっている可能性があります。

(原因3:世帯年収が低い)

年収〇〇円以下だとダメ×という明確な基準はないのですが、世帯年収が低いと、永住申請の条件の一つである「日本で生活できる経済力があること」という条件を満たしにくくなってしまいます。

 

もちろん収入よりも収支のバランスが大事なので、収入が低くても普通に生活ができていれば問題ありませんが、永住審査が年々厳しくなっていることを考えると、やはり収入が高いに越したことはないでしょう。

実際、筆者のアメリカ人の友人も、“今は年収が低いから申請はできない、せめて年収500万円以上は所得がないと…”ということを言っていました。

<補足>

2017年の永住申請許可率は57%です。これは、帰化許可率(約80%)よりも低い割合です。また、2013年度の72%と比較すると、やはり年々厳しくなっているのが分かるかと思います。

法務省が公表している不許可事例

ここで参考までに、法務省が公表している実際の不許可事例をご紹介していきたいと思います。

 

事例1:日本産競走馬の生産・育成,輸出,馬産農家経営コンサルタント,講演等を行っているとして申請があったが,そ入国後1年半と短期であることから不許可となった。

事例2:画家として多数の作品を製作・保有し,美術館の建設後に寄贈するとして申請があったが,そ在留状況が良好とは認められず(不正な在留に関与),不許可となった。

事例3:本邦で起業し,当該法人の経営を行っているが,その投資額,利益額等の業績からは顕著なものであるとはいえず,我が国経済又は産業に貢献があるとは認められず,不許可となった。

 

日本の居住が安定していない場合や在留状況が良くない場合に不許可になっている印象ですね。

ステップ2:原因を理解し、改善する

ここまでで、原因や実際の不許可事例をご紹介していきましたが、これだけ見ても“私には当てはまらないし…”とピンっと来ない方もいるのではないでしょうか?

 

“何となくこれが原因だったのかな…?”とハッキリとした原因が分からない状態で再申請しても、また不許可になってしまうかもしれませんよね。そこでステップ2では「原因を理解し、改善する」ために以下の方法をおススメします。

 

入国管理局で不許可の理由を聞く

 

ご存知かもしれませんが、入国管理局では不許可の理由を聞くことができるのです。一人ひとり不許可の理由は違うため、いくら不許可の理由を調べたところで参考にはなっても“次は大丈夫だ”という自信にはつながりませんよね。面倒に思えますが、結局、実際に理由を聞くことが一番の近道になるんです。

 

ただ、がむしゃらに不許可理由を聞いても仕方がありません。感情的になってしまう可能性もあるので、聞くことを事前にまとめておくことが大事です。ちょっと不安だな…と思う方は、行政書士に依頼して同行してもらうのもいいかもしれません。

 

こちらは、入国管理局に出向く際に持参する書類なので参考にしてみてください!

(持参する書類)

①不交付・不許可の通知書

②身分証

外国人本人の場合:外国人登録証明書、パスポート

申請代理人の場合:社員証、戸籍謄本など申請代理人たる資格を証明するもの

③申請書類一式のコピー

ステップ3:万全な状態で再申請する

原因を改善できれば、いよいよ再申請段階です。

 

ここで、“再申請するのにどのくらいの期間空けないといけないの?”と疑問に思っている方もいるかと思いますが、基本的に“〇ヵ月空けないといけない”、“回数は〇回まで”と決まっているわけではありません。理論上、どのタイミングでも何回でも申請することができますが、永住審査は年々厳しくなっているため、「数打ちゃ当たる」は通用しません。

 

だからこそ「万全な状態で再申請すること」が大事になります。最後に、永住申請のポイントを確認していきましょう。

 

・きちんと納税していますか?

・日本での居住は安定していますか?

・日本で安定した生活を送れていますか?

・入国管理局で不許可の理由を聞きましたか?

・不許可の原因は改善できましたか?

 

これらすべてにおいて「YES!」と言えるのであれば、自信を持って再申請に臨みましょう。確実に許可を得るためには、行政書士に依頼するのも一つの手です。予算の目安は12万円~20万円なので、できれば依頼することをおススメします。

まとめ

今回は、不許可の原因や再申請のステップなどをご紹介しましたが、参考になりましたでしょうか。

 

不許可になってしまったということは、何かしら原因があるはずです。

 

しっかり原因を突き止めて改善すれば、申請許可が下りる確率も上がります。時間はかかりますが、諦めずに頑張りましょう。