日本は帰化のハードルが高くない!?国籍取得が難しい世界の5カ国はどこ?

ずっと特定の国に住んでいると、そろそろ国籍を取得しようかな…。と思うこともあるのではないでしょうか?そもそも、国籍を取得すること自体かなり面倒な手続きが必要ですが、その中でも帰化のハードルが高い国が存在します。

 

このページでは、国籍取得のハードルが他国よりも高い国を5つご紹介していきたいと思います。もし、この中に帰化を検討している国があるのなら、ある程度の覚悟を持って帰化申請に臨んでくださいね。

国籍取得が難しい国はこの5つ

まず初めに、国籍取得が難しい国トップ5を見てきましょう。

※米メディア(Investpediaの記事を参考にしています)

オーストリア

ドイツ

日本

スイス

米国

こちらはアルファベット順ですが、意外や意外、日本もランクインしているんですね!日本国民であるにも関わらず知りませんでした…。

では、これらの国の帰化条件を一つずつ見ていきましょう。今回は、一番一般的な帰化の場合の条件をご紹介していきたいと思います。(その国の人と結婚していない・その国の人の子供でない)また、比較しやすいように、各国の条件を以下の7条件でまとめてみたいと思います。(記載されていないものは飛ばしています。)

1.住居条件

2.能力条件

3.素行条件

4.生計条件

5.重国籍防止条件

6.憲法順守条件

7.語学能力条件

オーストリアの帰化申請条件

筆者が個人的に好きな国であるオーストリア。実は、オーストリアの首都であるウィーンは、生活の質が高い都市ランキングで首位にランクインしているんです。

 

国籍を取得できれば快適なウィーンライフが待っているのですが、おそらく、オーストリアは国籍取得が最も難しい国と言っても過言ではありません。

さっそく、条件を見ていきましょう。

1.住居条件…基本的に10年以上オーストリアに住んでいること。

2.素行条件…犯罪歴がないこと。

3.生計条件…オーストリアで生活するのに十分な経済力があること。

4.重国籍防止条件…オーストリアの国籍を取得した時点で、母国の国籍を喪失すること。

5.憲法順守条件…オーストリアの国家制度に賛同すること。

6.語学能力条件…十分なドイツ語能力を証明すること。

※上記の「住居条件」は、City of Viennaの国籍取得条件のページを参考にしています。他のサイトでは15年~30年以上オーストリアに住まないといけないと記載されていました。

 

ただ“基本的に10年以上”なので、長く住むに越したことはなさそうです。ちなみに、ドイツ語の言語能力が高ければ、住居条件は緩和されることもあるようです。

ドイツの帰化申請条件

移民の受け入れに積極的な印象があるドイツ。しかし、EU加盟国以外からの帰化申請にはかなり厳しいようです。

1.住居条件…8年以上ドイツに住んでいること。(移民統合コースを受講し終了した人は7年に短縮、また優秀な成績で終了した人は6年に短縮されることがある)

2.能力条件…16歳以上

3.素行条件…犯罪歴がないこと。

4.生計条件…経済的に自立しており、失業手当や生活保護を受けていないこと。

5.重国籍防止条件…ドイツ国籍を取得すると同時に母国の国籍を喪失すること。

6.憲法順守条件…ドイツ連邦共和国憲法が定める自由と民主主義の原則に賛同していること。

7.語学能力条件…一定のドイツ語能力があること。(B1レベル以上)

 

後ほど紹介しますが、日本とほとんど変わりありませんね。「住居条件」に関しては比較的長い8年以上と定められていますが、移民統合コースを受講することで短縮することができます。このコースの期間は約2ヵ月、費用は正規で30万円ほどが目安です。

 

ちなみに、第7条件であるB1レベルとは、日常会話が難なくできるレベルです。

日本の帰化申請条件

主にアジア圏からの帰化者が多い日本ですが、意外と帰化のハードルが高いんです。では、条件を確認していきましょう。

1.住居条件…引き続き5年以上日本に住んでいること。

2.能力条件…20歳以上で、母国で成人と見なされる年齢に達していること。

3.素行条件…前科や重大な交通違反がないこと。

4.生計条件…日本で生活できる資金力があること。

5.重国籍防止条件…日本国籍を取得すると同時に母国の国籍を喪失すること。

6.憲法順守条件…日本政府を破壊するような団体に属していないこと。

7.語学条件…日本で生活できる日本語能力があること。

 

「居住条件」は先ほどのドイツと比較すると短いですが、国籍を取得するまでに10ヵ月~1年ほどかかります。日本への帰化申請を検討している方は、余裕を持って臨むことが大事です。

 

スイスの帰化申請条件

自然豊かなイメージのスイス。伸びやかな暮らしができそうですが、国籍を取得するのは至難の業です。

1.住居条件…EU加盟国の国民以外であれば、10年以上スイスに住んでいること。

2.素行条件…スイス国内外の安全を脅かさないこと。

3.憲法順守条件…スイスの法律を守ること。

4.語学能力条件…スイスの公用語の一つにおいて、最低でもB1レベルの会話力・A2レベルの筆記力を要していること。また、スイスの慣習や伝統に馴染んでいること。

 

スイスは、「住居条件」をドイツよりも長い10年に設定しています。また、スイスの公用語だけでなく、スイスの伝統に馴染んでいることも一つのポイントになっているんですね。

ちなみに、語学能力のレベル感は以下のようになっています。

熟練した
言語使用者

C2

聞いたり読んだりしたほぼすべての内容を理解することができ、その言語を用いて自分で表現することができる。

C1

様々な種類の高度な内容の文章を理解できる。

自立した
言語使用者

B2

母語話者と緊張感なく話すことができる。

B1

身近な話題や自分に関する話題であれば、簡単な文章を作ることができる。

基礎段階の 言語使用者

A2

簡単な日常会話が理解できる。

A1

基本的な単語や定型文であれば理解し、使うことができる。

米国の帰化申請条件

移民国家のイメージが強いアメリカですが、テロの発生が多い昨今、アメリカ国籍を取得するのはけっこう大変なんです。

では、条件を見ていきましょう。

1.住居条件…永住権保持者として過ごした期間で、半分以上は実質的にアメリカ国内に滞在していること。また、帰化申請に先立つ5年間は、合法的な永住権保持者としてアメリカ国内に居住していること。

2.能力条件…18歳以上であること。また、18歳から31歳までの男性の場合は、18歳から26歳までの間に義務兵役に登録していること。

3.素行条件…永住権保持者として過ごした期間、善良な居住者であったと証明できること。

4.語学能力条件…英語を読み書きし、話し、理解する能力があること。また、合衆国の歴史と政府について正しい知識があることを証明できること。

 

ちなみに「素行条件」に関して、以下も満たす必要があります。

居住者として所得税を申告し、期日までに支払いを済ませていること。

過去5年内に逮捕歴がある場合、または過去に重罪で逮捕されたことがある場合、最終処分の供述書を裁判所から取り寄せ、更正しているという供述書を添えること。

まとめ

今回は、国籍取得のハードルの高いトップ5をご紹介しましたが、やはり国籍を取得するのには相当の覚悟が必要なんですね。

 

特に、どの国でも「住居条件」は長い印象です。住所条件は“この国に一生住む!”という意志表明でもあるので、これらの国への帰化を検討している方は、まずは“特定の国に長く住む”ということから始めてみてはいかがでしょうか。