帰化申請は弁護士に依頼する?それとも司法書士?行政書士?
帰化申請をするとき、自分一人で全てを行うのは大変ですよね。もちろん、自分だけで書類を収集・作成し、許可が下りている方もいらっしゃいますが、許可が下りなかった人の中には、“誰にも頼らず自分だけで行ってしまった”と後悔している方もいらっしゃいます。
そうならないようぜひ第三者に依頼したいところですが、依頼するにしても、弁護士・司法書士・行政書士と選択肢が多すぎますよね。“申請する前なのに悩むことが多すぎる…”と頭を抱えている方もいるのではないでしょうか?
そこでこのページでは、どこに帰化申請の依頼をするのがいいのか?費用や具体的な理由、依頼する際の注意点を添えて解説していきたいと思います。この記事が、今から帰化申請をしようと考えている方の参考になれば幸いです。
何が違う?|弁護士|司法書士|行政書士
“そもそも、弁護士・司法書士・行政書士って何が違うの?”と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか?
違いが分からなければどこに依頼すればいいかも分からないと思うので、とりあえずこの3者について基礎知識を入れておきましょう。
まずは、それぞれが持つ資格です。
・弁護士…「司法試験」と「司法修習の修了試験」
・司法書士…「司法書士試験」
・行政書士…「行政書士試験」
う~ん、これだけ見てもあまりピンっと来ませんね…。
素人からはどれも一緒の資格に見えます。
では次に、それぞれの仕事領域も見ていきましょう。
(仕事領域)
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弁護士 |
司法書士 |
行政書士 |
---|---|---|---|
民事事件の和解・示談交渉 |
〇 |
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刑事事件の弁護活動 |
〇 |
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民事事件の事務業務 |
〇 |
〇 |
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登記・供託 |
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〇 |
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相談・文書作成 |
〇 |
〇 |
〇 |
外国人の在留資格申請 |
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〇 |
官公署への許認可申請 |
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|
〇 |
ちょっと分かりやすくなったのではないでしょうか?
かなりざっくりとした業務内容を記載しましたが、こうして見てみると、弁護士は司法書士や行政書士の仕事領域もカバーしており、オールマイティだということが分かりますね。※ちなみに、帰化申請に関する仕事領域は赤文字にしています。
結局、どこに依頼すればいいの?
それぞれの違いが分かったところで、結局どこに依頼すればいいのでしょうか?
こんなことを言うと元も子もないのですが、結論から申し上げますと“どこに依頼しても大丈夫”です。なぜかというと、先ほどの表でも分かる通り、弁護士・司法書士・行政書士どれも帰化申請に対応しているからです。また、費用も事務所によって多少差はありますが、会社員であれば15万円~20万円、経営者や個人事業主であれば25万円~30万円が相場でしょう。
ちなみに、「帰化申請」というワードを調べると、行政書士事務所の広告やホームページがよくヒットしますよね。検索結果から考えると「帰化申請=行政書士」と思ってしまいがちですが、これは単に、日本に行政書士の数が多いからなのです。
ここで、それぞれの人数も把握していきましょう。
・弁護士…約40,000人
・司法書士…約22,000人
・行政書士…約46,000人
弁護士の人数もなかなか多いですが、やはり一番多いのが行政書士ですね。なので、安易に“帰化申請なら行政書士!”と考えないようにしましょう。(行政書士が悪いと言っているのではありません。)
とは言え、“どこでもいい”と言ってしまうと選択肢が多くて困ってしまいますよね。ということで次項では、“第三者に依頼する上でこれだけは押さえておいて欲しい”というポイントをお伝えしていきたいと思います。
依頼するなら押さえておきたい2つのポイント
では、依頼する際に押さえておきたいポイントをさっそく見ていきましょう。
・帰化申請に関して確かな実績を持っているか?
・担当者は信頼できそうか?
なるほど…。じゃあ、上記の2ポイントを具体的にどのようにチェックしたらいいのでしょうか?
一つずつ詳細を確認していきましょう。
(帰化申請に関して確かな実績を持っているか?)
例えば、「行政書士事務所」と一言で言っても、帰化申請に力を入れている行政書士事務所と全く力を入れていない行政書士事務所が存在します。もし依頼するなら、どう考えても力を入れている方に依頼したいですよね。
これを確認するためには、その事務所のホームページをチェックするのが手っ取り早いです。特に、実績欄やお客様の声などを確認すれば何となく分かるかと思います。しかし、ホームページはあくまで宣伝するためのものです。大げさな表現が含まれていることも多いので、ホームページの内容だけを鵜呑みにするのではなく、無料相談をしたときにも実績を聞くことが大事です。
(担当者は信頼できそうか?)
信頼できるかどうかはとても大切なポイントです。帰化申請は短くて半年、長くて1年以上かかるため、依頼する担当者と長いスパンで付き合えるか?というのは非常に重要になってきます。
信頼できるか否かは、無料相談に申し込むメールや電話・無料相談の際の担当者の態度から判断することができます。以下のチェック項目を参考にしてみてください。
<無料相談に申し込むメールや電話でのチェック項目>
✓メールで申し込んだ場合、返信は48時間以内に来ましたか?
✓電話で申し込んだ場合、24時間以内に折り返しの連絡はありましたか?
✓電話対応は丁寧でしたか?(横柄ではないか)
<無料相談時のチェック項目>
✓契約を急ごうとしていませんか?
✓不許可の場合全額返金など、安さばかりを強調していませんか?
✓サービス範囲がどこからどこまでか、きちんと説明していますか?
✓相談しやすい雰囲気ですか?
✓質問に対し、的確な答えと理由を説明していますか?
✓不許可になることも視野に入れた話になっていますか?
これらのチェックを経て、“ここなら信頼できそう!”と思えたのであれば、いよいよ依頼段階へ…。しかし、ここで一点注意しなければならないことがあります。
第三者に依頼する上で注意すべきこと
実は、第三者に依頼するからと言って、帰化申請を丸投げできるわけではありません。もちろん、帰化者本人が作成しなければならない書類があります。
※担当者から“ここからここまではご本人で行ってくださいね”という説明があるはずなので、詳細は担当者に従ってください。もし説明がなければ、必ず聞いてください。
例えば「帰化の動機書」は、帰化の意志表明をするための重要な書類なので、帰化者本人が直筆で仕上げなければなりません。(15歳未満のお子様は不要)中には動機書の作成代行などもあるようですが、法務局にかかれば、自分で仕上げたものなのか人に頼んで作成してもらったものなのかは一発で分かってしまいます。添削で見てもらう分には構いませんが、できるだけ自分の言葉で表現することが大事です。
“お金を払ったのに自分でやらなきゃいけないの?”と思うかもしれませんが、自分一人ですべて行う労力に比べれば、格段に楽になっているはずですよ。
まとめ
最後にもう一度、選ぶポイントをまとめておきましょう。
・帰化申請に関して確かな実績を持っているか?
・担当者は信頼できそうか
この2つでしたね。
せっかく高いお金を支払って依頼するわけですから、一発で許可を得たいですよね。そのためには、“どの事務所が良い”というよりも、“帰化を希望する人のために尽力してくれるかどうか”の方が重要です。しっかり見極めるために、上記の2ポイントだけでも頭に入れておいてください。