永住権取得者が教える、永住要件のかんたんセルフチェック法!
永住申請をしたい!でも入国管理局のサイトに書いてあることは難しくて、ちゃんと永住要件を満たしているかどうか分からない…と悩んでいませんか?
そんなときは、「セルフチェック」が有効です。このページでは、分かりにくい永住要件を簡単にチェックできる方法をお伝えしています。
とても簡単なので、ぜひ参考にしてみてください!
永住申請に必要な要件を確認していこう!
セルフチェックをする前に、まずは永住申請に必要な要件を確認していきましょう。
こちらは、法律で定められている要件です。
(1)素行が善良であること
法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。
(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
日常生活において公共の負担にならず,その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。
(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
引用:法務省
たった3つだけです。一見、帰化申請より要件が少ないように見えますが、ここで安心してはいけませんよ。
1つの要件に対して満たさなければならない項目は意外とたくさんあるんです。では、一つずつ詳細を確認していきましょう。
1.素行が善良であること
後でご紹介する3番目の要件と若干被りますが、要するに、“あなたは真面目な人ですか?”と聞いています。極端な例ですが、日本側としても過去に重大な罪を犯した人を日本に永住させたくはないですよね。そのためにも、素行が良いか悪いかは必ずチェックされます。
色んな基準がありますが、一番引っかかる人が多いのは「交通違反の有無」です。よく車を運転していれば、“うっかりスピード違反をしてしまった!”“駐車違反のところに停めてしまった!”など、やむを得ず交通違反をしてしまうこともあるかと思います。小さな交通違反であれば多少許容されていますが、とは言え、交通違反の数があまりにも多すぎると永住申請が難しくなるので要注意です。目安としては、過去5年間に4~5回までなら許容範囲と言われています。(大きい事故の場合は示談が済んでいるかなどが求められます。)
2.独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
ここでは、“ちゃんと日本で暮らせるお金はありますか?”ということが聞かれています。日本に永住するのに日本で生活できるお金がなければ本末転倒ですよね。そのため、きちんとした収入があるか、永住ビザを取得したあと生活に困窮しないかがチェックされます。
ちなみに、具体的に年収300万円以上という基準があります。“どのくらいの収入があればいいの?”と悩む方もいらっしゃいますが、現状で300万円以上、かつ収支のバランスが取れていれば大丈夫かと思います。
<補足>
「年収300万円以上ないと厳しい」という話をよく聞くかと思いますが、事例として300万円以下でも許可が下りた方はいます。
ですがこれは【過去の話】です。現在は300万円以下ですとかなり厳しいです。
事例1:
在留資格:技術人文知識国際業務
在留期間10年ちょうど
職業:本人・会社員 / 妻・アルバイト(資格外活動許可)
本人年収:300万円
妻年収:80万円
貯金額:300万円
不許可:妻が家族滞在ビザで被扶養者のため300万円では足りない。360万以上必要。
事例2:
在留資格:日本人の配偶者等
在留期間:6年目
職業:本人・アルバイト / 日本人夫・会社員
本人年収:70万円
夫年収:300万
貯金額:200万円
許可:日本人の配偶者等は就労制限がないため年収を合算370万とし許可。
事例3:
在留資格:技能ビザ3年
在留期間:12年目
職業:本人・調理師
年収:400万円
貯金額:150万円
本国の父母を扶養に入れている
不許可:2名扶養にいれているため400万円の年収では足りない。1人扶養60万で420万円以上必要。
(3. その者の永住が日本国の利益に合すると認められること)
一番理解しにくいのは、この要件ではないでしょうか?
要は、“あなたが日本に永住することによって日本にメリットはありますか?”ということなのですが、自分の永住にメリットがあるかないかなんて、よく分かりませんよね。
ということで、この要件に関しては以下の2つを覚えておきましょう。
1.原則として、引き続き10年以上日本に住むこと。ただし、10年間のうち、就労ビザや居住ビザを持って引き続き5年以上日本に住んでいること。
※日本人&永住者の配偶者や子どもは満たさなくてもよい。
→ そう、永住ビザは10年間住まないと申請できないんです。帰化申請よりも結構ハードルが高いですね。ちなみに“引き続き10年以上”なので、日本を出国している日数が連続で90日(3ヵ月)以上・1年間で合計100日以上ある場合は“引き続き”には当てはまりません。状況にもよりますが、ここでは「居住の安定性」をチェックされているため、あまりにも海外渡航が多いと“日本に住む気がないじゃないか!”と思われてしまいます。
2.罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。住民税などの税金をきちんと納めていること。
→ 失礼な言い方になりますが、ご存知のとおり国の資金は税金で成り立っています。そのため、納税しない人は日本にとって何のメリットもないですよね。(失礼ですが事実です)国の事情を考慮すると、納税を納めていない、または滞納している人に申請許可が下りることはまずありません。
ここまでで、永住要件の詳細を確認していきました。しかし、“何となく要件は分かったけど、結局満たしているのか分からない…”という方もいますよね。そこで、ここからは「セルフチェックシート」を活用して永住要件を満たしているか一つ一つ確認していきましょう。
(保存版)セルフチェックシート
(セルフチェックシートの使い方)
項目数:15
方法:
1.セルフチェックシートを印刷する
2.一つ一つ項目を確認し、満たしていればチェックを入れる
→ ちょっとでも怪しい項目はチェックを入れない
3.満たしていなかった項目は満たせるよう努力or行政書士や司法書士に相談する
チェック項目
(1.素行が善良であること(日本人の配偶者・子どもは除く))
・国民年金や住民税などの税金は、納付期限を守って支払っています。
・健康保険は期日どおり支払っています。
・これまで、滞納した税金はありません。
・配偶者や子供がいる場合、資格外活動の違反はありません。
・日本で刑罰を受けたことはありません。
・今まで、過去5年間に4~5回を越える過度な交通違反をしていません。
・ビザの更新を忘れてオーバーステイになったことはありません。
(2.独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
(日本人の配偶者・子どもは除く))
・年収は300万円以上あります。
・扶養者がいる場合は1人扶養で+年収60万があります。
(3.その者の永住が日本国の利益に合すると認められること)
・日本に住んで10年以上経過しています。
・日本に住んでいる期間のうち、5年以上は就労ビザや定住者ビザを持って仕事をしています。
・現在持っているビザは、3年以上在留期間があります。
・90日(3ヵ月)以上海外に渡航したことはありません。
・1年間の出国日数が合計100日以上になったことはありません。
・日本人、またはきちんとした仕事をしている永住者の身元保証人がいます。
まとめ
今回は、永住申請の要件やセルフチェック法をご紹介していきました。セルフチェックをしてみていかがでしたでしょうか?永住申請は年々厳しくなっているため、すべての項目において「YES!」と自信を持って言えるくらいでなければ申請は難しいです。
そのためにも、セルフチェックで要件を満たしているのを確認したら、自分で申請するよりも可能ならばVISA専門の行政書士に依頼するようにしましょう。